いつもアイ・スマイル社会保険労務士法人(愛知県名古屋市)のホームページ&ブログページをご覧頂きありがとうございます。社労士の江崎です。
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さて、今週は「真の当事者を見極める」というテーマでお話ししたいと思います。
少し前に読んだ書籍『創始者たち』の中で、イーロン・マスクの次のような言葉が印象に残りました。
「何かを成功させる前にしくじった方法を四つ挙げられない人は、おそらくそれに取り組んだ本人じゃない」
この言葉を読んで、とても強い納得感がありました。
過去の私は、肩書や実績がすべてではないとは思っていました。
ただ、それでも、その肩書や実績を手に入れるためには、それなりの実力が必要だと思っていました。
だから、肩書や実績は、その人の実力をある程度そのまま表すものだと考えていました。
その背景には、私自身のキャリアのスタートである「訪問販売の営業」の経験もあったと思います。
営業の世界では、営業力がなければ結果を出すことはできません。
売れなければ、昇格することもできません。
結果と実力が、かなり分かりやすく結びついていました。
当時の私は、このシンプルな構造が、他の仕事にもそのまま当てはまると思っていました。
でも、たくさんの人と長く関わる中で、実際のビジネスはそんなに単純ではないとわかるようになりました。
成果が出る理由は、一つではありません。
たとえば、自分の実力が十分でなくても、良いお客様に恵まれたり、時代や市場環境の追い風によって、大きな成果が出ることもあります。
リーダーとしての采配がそれほど良くなくても、周囲に優秀なメンバーが揃っていれば、チームとして大きな成果が出ることもあります。
実際のビジネスでは、いろいろな要因が重なって、一つの結果が生まれます。
そう考えると、表面的な実績や肩書が、そのまま本人の実力を表しているとは限らないのは当然なのかもしれません。
だからこそ、イーロン・マスクが言うように、
「その人は、本当にその実績の当事者だったのか?」
を見ることが大切なのだと思います。
仕事は、最初から何の手戻りもなく、すべて思いどおりに進むことの方が少ないと思います。
やってみたけれど、うまくいかなかった。
方法を変えた。
また失敗した。
原因を考えた。
そして、もう一度やってみた。
何かの成果を出すまでには、こうした泥臭い試行錯誤がたくさんあります。
本当に自分の頭で考え、自分で動き、当事者として課題に向き合ってきた人であれば、
どこでつまずいたのか。
何を試したのか。
なぜ、その方法ではうまくいかなかったのか。
そこから何を変えたのか。
こうしたことを、かなり具体的に話すことができます。
失敗した方法をいくつも語れるということは、それだけ自分自身で試し、考え、検証してきた証でもあるのだと思います。
そして、ここで大切なのは、
「誰の手柄なのか?」
という話ではありません。
一つの成果に、たくさんの人が関わることは当然です。
それぞれが違う役割を持ち、その役割の中で当事者として真剣に取り組んでいる。
そうであれば、その全員が、その経験から「成長の果実」を受け取ることができます。
失敗したこと。
考えたこと。
工夫したこと。
うまくいったこと。
その経験が自分の中に残り、次はもっと良い仕事ができるようになっていきます。
私は、ここに当事者として仕事をする大きな価値があると思います。
一方で、大きな成果を出したチームに所属していたとしても、その成果に対して自分自身が深く考え、試行錯誤していなければ、その「成長の果実」を十分に受け取ることはできません。
何となく、
「これが勝因だった」
ということは分かっていても、
なぜうまくいったのか。
どこで失敗したのか。
何を変えたから結果が変わったのか。
その本質的な部分までは理解できていない。
私は、ここが一番もったいないところだと思います。
そして、もう一つ気をつけたいことがあります。
チームや周囲の人がつくった成果を、あたかも自分自身が生み出した成果のように捉えてしまうことです。
もちろん、チームの成果を誇ること自体は、とても良いことだと思います。
ただ、その中で自分は何を考え、何を行動し、どんな役割を果たしたのか。
そこは、きちんと自分自身で分かっておく必要があります。
それが曖昧なまま、当事者でないのに、当事者のように振る舞い、
成果だけを自分の実績として語ってしまうと、
いわゆる「人のふんどしで相撲を取る」ような状態になってしまいます。
それでは周囲からの信頼を失うだけでなく、
本来であれば得られたはずの「成長の果実」まで、自分で手放してしまうことになるのだと思います。
どんなポジションでも、どんな仕事でも、その人なりの「当事者として向き合うべき課題」があります。
目立つ仕事でなくてもいい。
大きな称賛を得られる仕事でなくてもいい。
自分の役割の中で、自分の頭で考え、工夫し、最後まで向き合う。
そうすれば、成果だけではなく、
「成長の果実」
「誰かの役に立てたという実感」
そして、
「誇れる仕事をした」
という充実感も得ることができます。
そう考えると、肩書や実績を見る時にも、
「何を達成したのか」
だけではなく、
「その中で、この人は何を考え、何を試し、何に失敗してきたのか」
を見ることが大切なのかもしれません。
そして、これは人を見る時だけの話ではありません。
自分自身についても同じです。
私も、自分が本当に当事者として関わったことを、自分の言葉で語れる人でありたいと思います。
失敗したこと。
悩んだこと。
試行錯誤したこと。
そこから何を学んだのか。
逆に、自分が当事者ではなかったことまで、あたかも自分自身の実績のように雄弁に語る人にはならないようにしたいと思います。
結果だけではなく、その結果に至るまでのプロセスに向き合う。
そして、どんな立場であっても、その仕事の当事者であり続ける。
イーロン・マスクの言葉から、改めてそんなことを考えました。
今回の気付きが、人を見る時や、自分自身の仕事への向き合い方を考える、小さなヒントになれば嬉しいです。
アイ・スマイル社会保険労務士法人
副代表 江崎智也
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