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さて、今回は最近読んだ本がとても面白かったので、その内容をテーマにしたいと思います。
「なぜ悪人が人の上に立つのか?」 ~人間社会の不都合な権力構造~
この本は、権力と腐敗についての研究をしている方が書いた本ですが、
心理学や過去事例だけでなく、生物の進化論や本能、原始時代からの人類の歴史、文化などの様々な観点から、権力と腐敗について多角的に考察されています。
本当に面白く、とても勉強になる本でした。
私は日頃から、「理想の組織づくり」を自社でも実現しようと試行錯誤していますし、顧問先に対しても理想の組織づくりの実現にむけた支援をしたいと考えています。
だから、昔から言われている「権力は必ず腐敗する。」という言葉は、
理想の組織づくりの難しさを物語っていると私は思っています。
そんなふうに考えていた私にとって
「なぜ悪人が人の上に立つのか?」 ~人間社会の不都合な権力構造~
というタイトルは、とても興味を惹くものでした。
権力が人を腐敗させるのか?
それとも、腐敗しやすい人が権力を欲しがるのか?
という点は、私も以前から疑問に思っていました。
だから、この本書かれている仮説である
・権力は腐敗する人間を惹きつける
・私たちは誤った理由で誤った人間に権力を与える
・権力は実際に人間を腐敗させる
・腐敗を防ぐための制度的防衛策が不十分である
これらの話には、深くうなづかされました。
この話を実際の組織において活かすとするならば、
リーダーの立場にある人は、腐敗しないために人格を磨き、腐敗しないための制度を構築していく必要があります。
そして、リーダーを選ぶ立場の人は、
自分が「悪人的なリーダーに引き寄せられやすい」ということを自覚し、
適切なリーダー選びができるように健全な選定基準を保つ必要があります。
腐敗しない組織をつくためには、昇進する人もそれを支える人も、全員の考え方が健全になる仕組みをつくること。
現在、ウチの会社では、メンバーみんなで「7つの習慣」を学んでいるのですが、 人格を磨き、メンバー全員が健全な選定基準をもつことに繋がるので、これは効果的だと思いました。
実際に、ここ数年間メンバーみんなで学びを続けてきた中で、 これを理解することで、行動や判断に大きな差が出ると感じます。
判断基準を、原理原則に基づいて行動や判断ができる人が集まっている組織では、
自然と人間関係も良くなりますし、人選基準も自然と健全になっていきます。
逆に、原理原則から外れたマイルールをたくさんもっているような人が集まる組織では、そもそも意思疎通に時間がかかる上に、健全な意思決定が行われにくくなります。
そして、適切な人選基準を意識してつくっていなければ、 「誤った理由で誤った人間に権力を与えてしまう」という法則に従って、 誤ったリーダー選びが行われやすくなります。
だからこそ、みんなで人格向上を目指し、誠実さや貢献心のある人が報われる制度をつくること。
このことを大切にしていきたいと強く思いました。
それと、もう一つ興味深い話が、権力とか出世欲を刺激する「求人広告」には、利己的な志向をもった人が集まりやすいという指摘も印象的でした。
この話は、採用戦略という観点から書かれているわけではありませんが、
「採用」を考える上でも、非常に重要なお話だと思います。
良い人材を集めるための採用戦略のつもりが、問題のある人を集める要因をつくっている。
こんな状態になっていないかを見直す必要があると感じました。
一つの記事にはまとめきれないくらい、まだまだ書きたいお話がたくさんありますが、今回はこれくらいにしておきます。
私自身も、「環境に影響される存在」であることをしっかりと自覚したいと強く思います。
人格を磨き、自分に甘くならないように社内の制度を整え、誠実で貢献心のある人が集まる組織をつくっていく。
アイ・スマイル社会保険労務士法人
副代表 江崎智也
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