いつもアイ・スマイル社会保険労務士法人(愛知県名古屋市)のホームページブログページをご覧頂きありがとうございます。社労士の江崎です。

先日、子供と一緒に漫画キングダムを読んでいた時に、ある場面が印象に残りました。

※キングダムは、秦の始皇帝の時代の戦国模様を描いた漫画です。

敵将が敗走した場合に、その退路を断つ為に待ち伏せしている部隊の兵士の会話。
この部隊が、戦闘に加わらないまま自軍の勝利になりそうな時のセリフです。

兵士A 結局、俺たち何もしなかったなぁ…
兵士B バカ、俺たちがここにいたから、あの場所で敵将を打つ事ができるんだ。

話の本筋に影響しない、名もなき兵士のこんな感じの会話だったのですが、すごく大事な話だと思いました。

こういった場面では、敵将を討った部隊が注目されるのは当然なのですが、
もし、敵の退路を断つ部隊がいなかったら、敵はそこに逃げていたわけなので、敵将を討つことはできなかったと思われます。

だから、直接戦わないとしても、その部隊はすごく重要な役割だったのですが、その重要性をその部隊の兵士が理解していない事があります。
自分の行動の直接的な結果だけでなく、そのポジションが戦局全体に与える影響を理解しておく事は、とても大切ですよね。

さて、ここからが本題です。
このような事は、私達の仕事でも同じ事が言えるのではないでしょうか?

例えば、社運をかけた新規事業が立ち上がり、この新規事業の結果によって、自分の会社の未来が大きく変わる状況だったとします。

このときに、自分が新規事業のメンバーになっていれば、気合いが入り士気が高まる人は多いと思います。

でも、新規事業部門のメンバーではなく、既存部門でこれまでの仕事を継続していくメンバーだった場合、ここで士気が高まるは少ないですよね。
その事業の重要性を理解していたとしても、実際、その新規事業に直接関わるわけではありませんので、当然の反応だと思います。

むしろ、新規事業に人員を振り分けている分、今までより少ない人員で今までと同じ業務をこなす事になりますので、ネガティブな感情を持ってしまう人もいるかもしれません。

ただ、現実問題として、このような局面で既存事業部門の業績が下がってしまえば、会社の全体戦略として新規事業に注力できなくなります。
逆に、既存メンバーの生産性が高ければ、より新規事業に人員や時間を投入できるので、新規事業を加速させることができます。

要するに、仕事は団体戦なので、どの部門にいたとしても、実は全体の戦局に影響を与えているという事です。

もちろん、その人のポジションや能力によって、その影響の大きさが異なるのは事実ですが、
自分の影響力は、自分自身が行っている業務に限定されるわけではないことを意識したほうがいいと思います。

特に、中小企業では、人員に余力はありませんので、自分が手を抜けば、その分は誰かの負担になったり、会社全体の推進力低下に直結します。
逆に、自分の創意工夫によって、自分がどのポジションにいても、全体にプラスの影響を与えることもできます。

だから、何となく目の前の仕事を頑張るのではなく、
大局観をもって、自分の仕事が全体にどう影響するのかを考えていると、
苦しい時にも踏ん張りが効くようになりますし、会社が求める「良い仕事」ができると私は考えています。

「自分の仕事を認めてもらえない」と悩む人は、少なくないと思いますが、
「自分の仕事」という視点ではなく、大局からみた「自分の役割」と「できる事」を考えると、うまくいく可能性がグッと高まると私は思っています。

そして、組織運営においては、主力部隊のわかりやすい手柄だけでなく、
効果的にフォロワーシップを発揮する人にも報いる仕組みをつくる事で、組織全体が強くなると考えています。

私も、大局観を意識しながら、日々精進していこうと思います。

アイ・スマイル社会保険労務士法人
副代表 江崎智也
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