いつもアイ・スマイル社会保険労務士法人(愛知県名古屋市)のホームページブログページをご覧頂きありがとうございます。社労士の江崎です。

4月の入学シーズンは、自分の学生時代を思い出しますね。

全然フレッシュな話題ではありませんが、中学生の頃、精神異常者とか連続殺人犯の心理をテーマにした本ばかりをたくさん読んでいた時期がありました。

読み始めたきっかけは忘れましたが、とにかく好奇心を掻き立てられました。
少し気持ち悪いですよね…
もしかすると少し病んでいた時期だったのかもしれません(笑)

その時、読み漁っていた本の中に載っていた言葉

怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない。
深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。

ニーチェの言葉の引用だったのですが、
この言葉を見たときに、かなり衝撃を受けたのを覚えています。

好奇心から「異常者の心理」という深淵を覗き込んでいるうちに、自分自身も深淵に取り込まれそうになっている事にゾッとし、このジャンルの本を読むのをやめたという思い出があります。

さて、ここからが本題です。

日頃の人間関係において、
「私は、簡単には騙されませんよ」
というスタンスでコミュニケーションをとる時もあると思います。

例えば、相手が前向きな発言をしていたとしても、その言葉の裏側を考え、後ろ向きな真意を読み取ろうとする。
そして、それを発見して自分の観察眼の鋭さに満足するといった感じですね。

ただ、こういった場面が多い人は、注意したほうがいいかもしれません。

人間の心は、少なからずズルさとか醜さがありますから、その部分に焦点を合わせれば、悪い部分が見えてきたり、会話の中でそういう部分を引き出すこともできます。

だから、相手の心を見破ったのではなく、自分が悪意を引き出してしまっている可能性だってあります。

逆に、人間の心には良心が備わっていますので、その部分に焦点を合わせれば、後ろ向きな発言をしている場合であっても、良い部分を見つける事もできますし、会話の中で良心を引き出すことだって出来ます。

悪い事から目をそらすという事ではなく、焦点の合わせ方によって、相手に与える影響が異なってくるという事です。実際、悪意に焦点を当てる癖がある人は、良好な人間関係を築けていない事が多いように感じます。

組織においても、リーダーが良心に焦点を当てるタイプなら、メンバーの良心が引き出されますし、悪意に焦点を当てるタイプなら不信感が引き出されます。

どちらがマネジメントしやすいチームになるかは明白ではないでしょうか?

とは言え、実際に悪意をもって近づいてくる人も存在するので、絶対に人を疑ってはいけないという事でもありません。このバランス感覚は難しいところではありますね。

実際、「影響力の武器(ロバート・B・チャルディーニ 著)」にもあるように、影響力の武器を学ぶ事によって、悪意ある相手に、影響力の武器を使われた場合に、その影響を受けにくくなるというメリットがあります。これはその他の心理操作のテクニックにも当てはまります。

同じように、「悪意」や「心の闇」について学ぶ事によって、相手の悪意に気付きやすくなるのも事実だと思います。

ただ、こういった事を意識していると、心の悪い部分に焦点が当たりやすくなり、いつのまにか人間関係に悪影響をもたらす可能性がありますので、気をつける必要があると私は思っています。

深淵をのぞく時、深淵もまたこちらを覗いている。
これを忘れてはいけませんね。

私は、良心に焦点をあて、良心を引き出すリーダーシップを目指していこうと思います。

アイ・スマイル社会保険労務士法人
副代表 江崎智也
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